「しばらくよくなるまで、ゆっくりと安静にしていなさい。

喉が乾いたら飲んでいいから」

そう言った母に、
「はい」

平雪音は返事をした。

「九重」

彼女が返事をしたことを確認すると、母が僕を呼んだ。

「何?」

そう聞いた僕に、
「午後の店番は私が代わりにやるから。

もうそろそろで一葉も三春も帰ってくるわ。

九重は彼女の面倒を見てあげなさい」

母は指示を出した。

「うん、わかった」

返事をした僕に、
「じゃあ、お願いね」

母はリビングを後にした。