僕はコーヒーを口に含むと、店内を見回した。

店内は太陽がジリジリと照りつけている外とは対照的に、冷房がよく効いていた。

平和なのはいいことなのだが、
「ヒマだな」

僕はもう1度呟くと、コーヒーを口に含もうとした。

ドン!

大きな音がしたかと思ったら、ドアが開いた。

店内にいた客も何事かと言うようにドアの方に視線を向けた。

な、何だ?

いきなり入ってきたその人物の顔を見た僕は驚いた。

「――平雪音…」

転がるように店内へと入ってきたのは、平雪音だった。

けれど、現れた彼女は傷だらけだった。