「桃ちゃん、美人でかわいいから離したくないんだよね。

子供の頃もそれはそれでかわいかったけど、年齢にあわせて成長すれば成長するほどすっごい美人になるんだもん。

正直、他のヤツらが桃ちゃんを奪いに現れたらどうしよう…なんてね」

大河はクスクスと、私の胸の中で笑った。

「あー、確かにね」

相づちを打った私に、
「えっ?」

大河は驚いたと言うように胸から顔をあげた。

「ジョーダンよ」

笑いながら言い返した私に、大河はホッとした顔をした。

「とりあえず、今は兄貴に負けないから」

「――ッ…」

大河は宣言するように言うと、私の唇を奪った。

兄と弟の私をめぐるバトルはまだまだ続くようである。

☆★END☆★