「早過ぎにも程があるだろ、ピザ屋…」

竜馬は不機嫌そうに呟くと私から離れた。

電話をしてすぐにくるのがピザ屋さんと言うものですよ、社長。

ピザを受け取りに玄関へと足を向かわせる竜馬の背中に向かって、心の中で私は呟いた。

それにしても、
「――いきなりキスしてくるなよ…」

本当に油断も隙もないったらありゃしない。

そりゃ、今の今まで仕事が忙しかったから仕方がない…って、そんな理由でキスしていい訳あるか!

「持ってきたぞー」

竜馬がピザの箱を手にリビングに戻ってきた。

「もうピザは頼まないことにするよ」

そう言った竜馬に、
「どうしてですか?」

私は聞き返した。