ホームルームが終わってあたしは結衣
と喋ってた。
「若菜はさ、気づいた?」
へ?何を?
いきなりの結衣からの質問が理解で
きなかった。
「何を?」
「さっき雅人と喋ってた時、まわりの
女子達が雅人のことみてたじゃない?
そのことよ。雅人ってやっぱりモテる
よねー。」
あぁそのことだったら
「気づいてたよ。」
雅人はすごくかっこいいから女子達
にモテる。それも結構な人数から恋
されてる。
「新しく入って来た1年生達からも
モテるでしょうね。また、若菜の敵
が増えたわよ。」
「うっ。だよねぇ。」
そう。あたしも雅人に恋する1人で
あったりする。
いつかこの思いを伝えたいとは思って
るんだけど…。
でも今のこの関係を壊せないんだ。
だってもし振られたりしちゃったら
さっきみたいに幼馴染みとして話す事
もできないんだったらって考えると
一歩が踏み出せない。
「まぁ頑張りなさいな。あたしは応援
してるから。まぁ、ライバルは一杯
いるからいつ彼女が出来てもおかしく
ないけど。」
「ですよねー。ちゅ、忠告ありがと。」
ライバルが多いから絶対ゆっくりして
ちゃダメって思うだけど、今のあたし
にそんな勇気は無い。
「でもいつまでも奥手だったらダメだ
からね!」
結衣さんあなた人の心が読めるんですか
「が、頑張らさせていただきます。」
なんて言ったけどあたしは勇気が出せ
なかった。
そのあと入学式があったけど先生の
話なんて聞いていなくてあたしは
さっきの事を考えていたんだ。
