心踊る颯太を、わくわくしながら箱の中で待っていたプレゼントは…



「わぁっ!すごいっ‼」


「トランポリンだよっ‼

颯太前に、子供雑誌に載ってたの見て欲しがってたでしょっ?」


「うん!うん‼」


ご飯もそっちのけでトランポリンを組立てると、早速遊びたがる颯太に、待て!を命じる。


「遊ぶのはご飯食べてから」

「えっ⁉今遊びたい‼」

「遊びたかったらご飯ちゃんと食べるんだよー?」


ママの意地悪に不貞腐れながらも大好きなハンバーグをパクリ。



楽しいことが待ってる状態にしないと、食の細い颯太はちゃんとご飯を食べてくれないんだよね…。


折角、好きなものばかり作ったんだから、今日ばかりはいっぱい食べてもらいたいママの

意地悪な思いつき。



「あ、それとね…依子お姉ちゃんからもプレゼント預かってるよ。」

「えっ⁈何っ⁈」


「わかんないけど…、お仕事で、誕生日、一緒にお祝いできなくてごめんねって言ってた。」


「そっか、依子おばちゃんお仕事か」

「おばちゃんなんて言ったら、依子に叩かれるよ。」



2人きりでも

くすくす笑いあえれば楽しい誕生日だ。




予想以上にご飯を食べてくれた颯太は「ちょっと休憩」なんて言いながら床に寝そべって



それでも、目はトランポリンを見ている。



「そんなだらしない格好、許してあげるのは今日だけだよ?」


「ふふっ。

今日は特別な僕の誕生日だもんね?」

「そう!

颯太の誕生日だからね‼

依子からのプレゼントも開けてみようか?」

すると、その言葉を聞いて、だらだらしてたはずの颯太がピョンッとソファーから飛んでくる。



依子からのプレゼントの袋を開けてみると…



中に入っていたのはゲームのカセット…。



一瞬、首を傾げる颯太。


「僕、これやりたいけど機械持ってないもん…」



これは…


玲二からのプレゼントを渡すべきか悩んでいた依子からの私へのメッセージだ。


やられた。


これなら渡さない訳にもいかない。