「えっ⁈結花さんっ⁉
ちょっ、待って着替え中⁉」
私の視界に飛び込んで来たパンツ一丁の翔太さん…。
「えっ?」
思わず、着替え中なのにマジマジと見つめてしまった。
「あっ、おじちゃん起きたのー?」
久しぶりの翔太さんとの再会に、颯太が喜んで飛びつくいた。
「あれ…翔太さん…
重たい病気では?」
「えっ⁉なにそれ?誰から聞いたの?」
話しをしながら、慌てて服を着用するまでを、失礼ながらずっと見てしまっていた…。
驚きすぎて、動けなかったんだ…。
「誰って…
依子が…
翔太さんが重たい病気で食べ物も食べれないで眠り続けてるって…」
愕然としてる私に、着替えを済ませた翔太さんは
「依子のやつ…。」と呟きながら
足元にくっついてる颯太を抱き上げた。
「心配かけちゃったみたいでごめんね。
ただの胃炎だよ。胃炎。
炎症の数値が高くて、親が勝手に入院をお願いしちゃったんだ。」
「胃炎…?」
聞いた途端に、身体の力が抜けて
安心した途端に
ぶわっと涙が溢れて来た。
「翔太さん、騙すなんて酷いわっ‼」
「えっ⁉ちょっ…
結花さん泣かないで?
ってか、騙したの俺じゃないしっっ‼」
「おじちゃんママを泣かせたらだめっ‼」
「颯太までっ⁈だから違うってばー‼」
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無事に退院の手続きを終えた翔太さんが
ちゃんと説明するから。と言うので、仕方なく我が家に招きいれることとなった。
「結花さん。まだ怒ってるる?」
「うん。すごい怒ってる」
「でも、騙したのは俺じゃないんだけどね?
ちゃんと、そこは理解してね?」
「…」
何も応えない私に、翔太さんはぺこりと頭を下げた。
「騙してごめんなさい。」
「分かりました…。」
ほっと安心したように顔を上げた翔太さんは
いつになく機嫌が良さそうにみえる。


