「うん。結花さんが頑張ってるのは分かるよ。
本当に頑張りすぎるくらいに頑張ってて…
たまに休めよ。って言いたくなるくらいに結花さんはいつも全力疾走の短距離ランナーみたいに頑張ってる。
でもさ、結花さんが言うように全部を両立させたいなら、全力疾走で短距離を走っていたらだめなんじゃない?
自分のペースで、走り切る長距離ランナーにならなきゃ。」
「それは…手を抜けってこと?」
「んー…手を抜いてもいい所は抜いてもいいんじゃない?
例えば誰かに頼れることは頼る。とかさ」
そう、照れ臭そうに笑って自分自身を指差す社長。
世の中には頼っていい相手と
駄目な相手がいる。
それを社長は理解してくれない。
「何かあったらいつでも駆けつけるって言ってるでしょ?」と首を傾げる社長を
傷つけたくないのに
傷つける言葉ばかりが溢れ出る。
「社長が、颯太の本当の父親ならたよれる。」
私の言葉に目を伏せた社長は小さなため息を溢す。


