責められるのが嫌で実家を出たけれど…


結局は、こうして颯太が風邪をひいて、それが長引くようなことがあれば頼らずにいられない。




「1人で子育ては…難しいね。」

「ん?何か言った?」



小児科の待合室。

膝の上に颯太を座らせながら


独り言のように呟いた。



「ママ、つかれてるの?」

「疲れてないよ?なんで?」

疲れてるの?の言葉に我に返り、直ぐに笑顔を作って見ても

子供は鋭い。


と、いうよりは

親のことをよく見てるのだろう。


「ううん。なんでもない。…喉乾いたからジュース買って?」


「ちゃんとお医者さんに大きな口をあけてみせれたらね」


「今ほしいっ‼」


体調不良もあってか、些細な不満で

ギャーッッ‼と泣き出した颯太を抱っこして


他の患者さんの迷惑にならないように少し離れた場所へと移動する。