「教えてくれないなら、諦められない」


そう言い切った社長の手のひらが私の手を包むと


苦しそうに


囁いた。


「愛してる…」







どうして

惹かれてしまったんだろう…?

どうして惹かれあってしまったんだろう…?


二度目の恋が貴方じゃなかったら…


受け止められたのに。


受け止められたかもしれないのに…。


肌を重ねなくても

顔を合わせるたびに惹かれてしまう。


大切だから…

守りたくなる。


貴方だから好きになった。

だけど…

貴方にだけは愛されたくない。

私なんかを選ばなくても貴方には貴方に相応しい女性がいる。

未来できっと待っている。


私に貴方は勿体無い。


だから…


愛してる。なんて…


悲しくなるようなことは言わないで?


好きだから…

大切だから…

愛されたくない。


二度目の恋は

一度目と違って

大切なものを大切する方法は違うと教えてくれた。


大切だから距離をおいたほうがいい想いがあることを…


貴方が教えてくれた。