ハンカチで涙を拭って


気持ちを落ち着かせるために深呼吸をした時、手元から落ちたハンカチを先に拾ったのは


湯川社長だった…。


「あ…、ありがとうございます。」


「また、泣いてたの?」


「あなたには関係ない…」


ハンカチを受け取るだけ受け取って

目も合わせずに軽く頭だけ下げると



私は小走りで会社を後にした。