愛してるなんて言わないで



滲んだ視界のその先に


膝間づくように座った翔太さん…。


最後の挨拶に来てくれたのかもしれない…。


それなら


おめでとうと…


私と出会ってくれたこと…


ありがとうを伝えなきゃいけないよね…?


零れ落ちる涙もそのままに

無理やり作った笑顔。



膝間づく翔太さんが


私の左手を取り

その指先に

優しいキスをした。





「結花さん。

俺と…

結婚して下さい。」


「…えっ?」

だって…

翔太さんは…



ふと周りを見渡すと


みんなが私と翔太さんに注目をしていた。



「翔太さん…だってさっき向こうに…?」


「折角来てくれたんだ…ちゃんと一人一人断って

みんなにちゃんと知らせたかった。


俺の大切な人は君だって。」


「でも…」


「俺の大切な人は今までもこれからも君。

それは誰にも変えられない。

君の過去も背負ってく。

君の宝物も背負ってく。

だけど

永遠なんて要らないから…

毎日が幸せじゃなくてもいいから…。


君と颯太の未来に

俺も一緒にいさせてくれないか?


俺の愛が重たいなら愛してるなんて言わない。

休まずに愛してくれなんて言わないから…


この先の1つ1つの幸せを

君と颯太と一緒に見つけたい。


これでダメなら諦める。

だから言わせて?


君を愛してる。


俺と結婚して下さい。」


「私…

一度、結婚に失敗したんだよ?

私のせいであなたが嫌な思いをするかもしれない。

あなたの本当の子供じゃない颯太まで…


本当に

受け止めてくれるの…?」



これが最後なら…


私も

知るのを恐がってたら


ダメなんだ…。