「さ、あちらに行って」
指示されるまま歩いていくと綺麗な女性が数人立ってる中に
私1人浮いて立っていた。
よく見ればここは
パーティー会場の舞台上っ⁈
「えっ?何っ⁈」
慌てて依子の姿を探すと
遠目に驚いてる依子を発見した。
「なにこれ…たすけて」
口パクで彼女に助けを求めても
彼女は首を傾げている。
すると突然、マイクを持った司会らしい人が舞台袖から出てくると
展開が大きく発展する。
「今日は湯川翔太さんの誕生日を兼ねて
婚約発表もあります」
司会の言葉に会場にいるみんなが舞台に注目する。
「どちらのご令嬢からのプロポーズも断り続けていた湯川社長ですが
35歳の今日のおめでたい日に、花嫁を決めるとのことで…
想いを寄せる女性の方々にお越しいただきました。」
えっ⁈なにそれっ⁉
私まで参加させられるって聞いてないしっ…‼
慌てて
舞台下にいる翔太さんのご両親に目を向けると…
真剣に一人一人の女性を見ている…。
その表情を見て察した。
これは
公開的な私への罰なんだと…
次々と紹介される女性のみんなは
どの人も
どこかの財閥の娘さんだったり…
そうか…
翔太さんは私なんかが想いを寄せて良い相手じゃないことをしらしめるために…
こんな事をしてるんだ…。
私の横に並ぶ花嫁候補はみんな余裕のある美しい笑顔を見せている…。
その中で1人
こんな私が…
立たされている。
子持ちのバツイチの立場で…
好きになっても良い相手かどうかも見極められなかった…
私への罰なんだ。


