「家に帰る通り道なんだ。」

「そう…?」


相変わらず会話は続かないけれど

久しぶりに話しができたことがすごく嬉しかった。


こうして並んで歩く私達は他からみたら…


もしかしたら恋人同士に見えるんじゃないかな?って…

1人で考えてドキドキした。



その日を境に、バイトが終わって外に出ると

赤坂君は私を毎日待っていてくれた。




そんな事が続けば

やっぱり

聞きたくなる。



どうして毎日来てくれるの?


期待があったのかもしれない。


会いたいから。なんて言われてしまったらどうしよう。なんて…


ドキドキしながら聞いた。



「知らないの?この通りでこの間、変質者がでたんだよ?」


「変質者?本当に?」

「うん。」



「でも、それはさっきの質問には関係ないでしょ?」

そう聞いた私に


彼は立ち止まって

少し恥ずかしそうに頬を染めて視線を逸らした。


「駅まで…危ないだろ?」

「えっ…?」



胸が高鳴った。


途端に耳が熱くなるのを感じて


私は恥ずかしくて俯いた。



赤坂君は…


私を心配してくれてたんだ。




そんな風に言われたら


期待したくなってしまう。


赤坂君も私を…


好きでいてくれてるのかな?って…。