「んな悲壮な顔すんなよ!とりあえず俺とロミオが向こう行って何かねぇか見てくっからさ。いつまでもここにいたって仕方ねぇじゃん」
「そうだけどさぁ…」

 向こうまでロープを渡そうとしても、何もとっかかりがないのでできそうもない。

 辺りの壁や地面を探っても何もないので、どうやらそうするしかなさそうだ。

「気をつけてよ〜。ロミオ!あ、そうだ!」

 ヴァレリーがぽんと手を打つ。

「ほら、もし、仮によ?落ちたらね、テレポストーン使いなさいよ!そしたら大丈夫じゃない?」
「お〜なるほど!」
「てゆうかヴァレリー、心配しすぎじゃない?」

 と、ロミオがはっとしてヴァレリーの方を見た。

「お前、まさかオレのこと好きなのか!?」
「はぁぁっ!!?」

 顔が一気にカーッと赤くなる。

「いや〜んヴァレリー!趣味悪〜い!」
「ち、ちがうわよ!わたしはただたんに仲間として心配しただけで…!もう!さっさと行きなさいよ!」

 
 心配していたのがバカくさくなったヴァレリーは、やけっぱちでロミオに手をシッシと振った。


 というわけで、ロミオがまず行くことになった。


「俺はおめぇが向こうまで行くと信じてる!よし、行ってこい!」 

 そう言って肩をポンと叩かれたロミオは、「よよよ」と泣くふりをしてジャスティンにもたれかかった。

「しくしく…ジャスちゃん、行ってくるわ!」

 女二人が「何やってるんだ」という冷ややかな目で男二人を見ている。

「うおぉぉぉっし!!行くぜよーーー!!」

 ロミオはかなり後ろまで下がると、「うがぁぁぁ!!」と気合いの声を出しながらダッシュした。

 三人共、祈るようにロミオを見つめる。


 ポーン………。


 軽やかに飛んだ。

 何なく、という感じがする。


 が、最後着地の所で、その着地した箇所に岩があり、衝撃でガラッ…と崩れ落ちた!