「相変わらず暗ぇな」
大して深い感じではない。
2メートルぐらいの高さで土の地面だから簡単に下へ降りれるだろう。
「じゃぁ…今度はわたしが先に行く?」
そう言ったヴァレリーをみんな一斉に見た。
「…だってジャスティンばっかでかわいそうかと…」
「やだ〜、そう言われると何かあたしの良心がうずくじゃな〜い。いいわ、みんなのアイドルのあたしが先に行くわよ!」
めずらしくリアがそんなことを言いながらスッと手を上げた。
すると、
「女を先に行かすとは武士道から外れた行動なり!オレが行く!」
と、よくわかんないことを言いながらもロミオは手を上げた。
みんながみんな、そんなこと言うと、じゃぁどうぞとも言えなくなったジャスティンも手を上げた。
「いいよ。俺が行くって!」
その瞬間。
「どうぞ」
「どーぞ」
「どうぞ〜」
三人一斉に身を引いた。
ジャスティンがグワァッと食ってかかる。
「おい!おめぇらハメたな!!」
「何を失礼な〜。ジャスちゃん、考えすぎ!」
「そうよ!被害妄想激しいわね!」
「ったくおめぇら…最悪だぜ…ったくよぉ!」
「ま、いつも通りといえばいつも通りじゃない?」
笑いながら言ったヴァレリーを、ジャスティンはちらっと見た。
「まさかヴァレリー、始めっからハメようとしたのかよ?」
「え?あはは〜、さぁどうでしょう??まぁいいから早く先に進みましょ!」
と、すっとぼけるヴァレリー。
ジャスティンは不承不承、下へと降り立った。
