「行くとこないみたいね」
「ぽいな…だけどよぉ、他に道あったか?」
「さぁ…」
ヴァレリーはとりあえず今までの所のマッピングをしていった。
「ね〜、何か揺れてな〜い?」
かったるそうにリアが言う。
「そーか?」
首をかしげるロミオ。
ジャスティンは、
「言われりゃ揺れてるような…」
と言うと、上を見上げた。
真っ暗な、どこまで続いてるかわからない天井から、パラパラと土が落ちてきた。
「げげっ」
「ほ〜ら!やっぱ揺れてんじゃん?あんた鈍いのよ!」
「あぁ!オレは鈍さには自信がある!」
「何だよそれ…」
「ねぇ、どうする?戻る?」
マッピング用紙をしまいながらヴァレリーが言った。
「それしかねぇかな…」
「あ〜あ、なぁんかもう土まみれで嫌なんですけど〜。お風呂入りたいってゆうか〜」
「ん〜、まぁ、そりゃそうだけどさぁ……にしても……」
ヴァレリーは両方の手のひらを広げた。
パラパラと降ってくる、土。
「ずいぶん土が降ってくるわね」
「ってぇ!」
ロミオの帽子に、赤ちゃんの握りこぶしサイズの石が落ちてきた。
「ぁだ〜っ……たたたた……」
「うっわぁ、痛そう」
憐れみのこもった横目でリアが見る。
「まだ帽子かぶってたからよかったじゃない」
「つーか何か様子おかしいぜ…」
目の上に手を当てながら、ちらっと上を見る。
さっきよりも揺れている感じがする…。
そして土に混じり落ちてくる小石…。
ジャスティンは三人を、立って歩ける方の通路に押しやった。
「やべぇ。俺、嫌な予感がすっぞ」
「えっ。うそうそ!何、それ!」
「やだ〜。押さないでよ〜!」
「ジャスちゃん、オレのケツ触ってる〜!」
「女みてぇなこと言うなよ!」
通路へ入り、みんな黙ってその空間を見つめた。
バラバラバラバラ……。
しだいにまとまって石や土が落ちてくるようになった。
「崩れるのかしら?」
「ぽいね〜」
「つーかだったら先進めねぇじゃん」
「じゃぁ帰りましょうよ」
「おいおい…」
