通路をしばらく歩くと、突き当たりに小さな穴があった。
近くにゴロゴロと岩が転がっている。
「絶対、地震のせいで崩れたわよね」
「だな。前はこんな狭い穴じゃなかったはずだ」
「やだ〜。また土まみれになるの〜?」
リアが文句を言う。
「お前文句ばっか言うな〜。文句魔」
「うっさい!」
「しょうがないじゃない。ほら、早く行きましょ!」
ジャスティン、ロミオ、ヴァレリー、リアの順で穴の中へ入る。
穴の先は、4人でちょっと狭いぐらいの縦長の空間だった。
胸ぐらいの高さに横穴がある。
他に先へ進む道が見当たらないので、どうやらその横穴を這って進むしかなさそうだ。
「うっへぇ、何か嫌だな〜」
早速ジャスティンが横穴へ入る。
「ジャスティ〜ン!どんな感じだぁぁ!?」
すぐそばにまだいるというのに、ロミオがバカでかい声で聞く。
「でけぇよ!」
ジャスティンは雷虫灯で先を照らしたが、とりあえず見たところ危なさそうではない。
「大丈夫じゃねぇ?行くぞ」
「おう!」
早速行こうとしたロミオのパーカーのフードを、リアはぎゅっと引っ張った。
「うぇっ」
「待って!先に女子二人を行かせてよ!」
ヴァレリーもうなずいた。
「うん。そうね」
そして、女子二人は顔を見合わせた。
逃げ道のない狭い道で、一番後ろになんかなりたくないじゃない。
まさかロミオがそんな思惑、察せるわけもなく。
「おう!いいぞ!誰がジャスティンのケツ見るんだ!?」
「何かその言い方イヤね…」
というわけで、ジャスティン、ヴァレリー、リア、ロミオの順で進むことになった。
「ジャスティン、急に止まったりしないでよ!」
「わぁーったよ!おめぇこそ俺のケツ触るんじゃねぇぞ!」
「誰が触るか!」
よいしょと穴の中へ入ったリアの後にロミオが続く。
「ちょっとロミオ!あたしのお尻見ないでよ!」
「え〜。だって見ないと前進めないじゃん。ま、大丈夫だって、カンチョーとかしないから…うがっ!」
リアの後ろ蹴りがロミオの顔面に炸裂する。
