「うぉぉーっ!マジックだ!」
「ばかやろ!感心してる場合じゃねぇよ!」
再び小石が飛んできた。
勢いが増したのか、さっきより当たると結構痛い。
「痛いってば!何アイツ!バカ!!」
「ま、魔物にバカって言っても…」
何とかなく後退したが、後ろは這い出たばかりの穴があるだけ。
「下がれん!」
「前進あるのみ!」
モンスターが二本足でこちらに近づいてきた!
「きやー!来たわよ〜!」
しがみついてくるリアの横で、ヴァレリーは目をこらしてモンスターを見つめた。
小石でできた魔物!?
目と口のあたりに空間があり、体の真ん中あたりに赤く光る何かがある。
あぁ!見たことある!
ええっと………何だったっけ!!
「うりゃぁぁ!!」
剣を構えたジャスティンが腕を振り下ろす。
「ガァァァァァッ!!」
石をこすり合わせたような叫び声。
小石でできた腕が簡単に切り落とされ、小石がバラバラと地面に散る。
が、引き寄せられたかのように腕の形状に戻ると、再び元の腕の位置に戻ってしまった。
「何をこしゃくな〜!!」
ロミオの回し蹴りが魔物の顔面を直撃するも、こちらは一瞬、小石がバラけると、すぐ元に戻ってしまった。
「何だよおい!いきなり強敵か!?」
ジャスティンは魔物をあっけにとられて見つめた。
「まだしょっぱなじゃ〜ん」
ロミオがぽりぽりと頭をかく。
「ちがう!そんな強い敵じゃないわよ!」
モンスター図鑑を抱えたヴァレリーが叫んだ。
