上から小石や土がパラパラと降ってきた。
「きゃぁ〜!やだ〜!」
「うぉぉーっ!生き埋め〜!!」
「あたしの最後があんたたちと一緒なんてサイテー!」
「こ、こんぐらいじゃ崩れねぇよな!」
4人抱き合いながら、揺れがおさまるのをじっと待つ。
グラグラグラ…。
ズズーン…。
前方で何かが落ちたのだろうか。
土煙が舞っている。
「岩でも落ちたのかしら?」
「ぽいな…」
「オレらの頭の上じゃなくてよかったなっ」
「うぅっ…まだ死にたくな〜い…」
しかしその土煙の中から、チラチラ赤い光が見え隠れしているのが目についた。
「何か見えるんだけど〜!」
「気のせいよ、気のせい!」
「リア、お前目医者行った方いいぞ。あれが見えないのはかなりの近視だ!」
「バカ!今のはただの現実逃避よ!」
「魔物だろーが、ありゃぁ」
ジャスティンが鞘から剣を抜く。
「何て魔物だ?」
「ん〜、赤い光…」
ルーンからもらった出現しそうなモンスターリストを、頭の中で必死にページをめくっていく。
赤い光だけじゃなぁ…姿が見えればわかるかも。
そうこうしている間にも、土煙の中から魔物が徐々に現われてきた。
人型のモンスターに見える…。
そいつが腕を振り上げると、こちらに向かって何か小さなモノが大量にぶつかってきた。
「いって!」
「うげっ」
「きゃっ!」
地面に落ちたそれは、小石。
小石は、不思議なことにスーッと魔物の方に戻っていった。
