「ん〜、あっちに道が見えんなぁ」
ジャスティンが照らした先に、確かにぽっかり穴が空いていた。
「よぅし!進め!ジャスティン!」
「…いや何で俺が先なんだよ……」
「だって、ほら、ジャスティン頼もしいから!」
「おめぇの方が力も体力もあるっつーのに…」
穴は這って入らないとダメなぐらい小さかったが、その向こうは普通に立って歩ける土壁の通路だった。
「やだ〜!髪に土がくっつく〜!」
「んもう!いちいちそんなこと気にしないの!」
穴からリアを引っ張りだす。
「しかしさぁ」
土壁を触りながらジャスティンが言う。
「土っつうのが何か嫌だな」
「何でよ?」
「だって崩れそうじゃん。俺ら、地震の中心地に行くようなもんなんだぜ?こんなもろそうな土の洞窟じゃぁ、土砂崩れで先行けなかったり、最悪、俺ら生き埋めなりそうじゃねぇ?」
「…………」
「…………」
「…………」
三人が無言でジャスティンを見てくる。
「…………」
「…………」
「…………」
「いや!つーか最悪だっつってんじゃん!そうならねぇかもしんねぇし…」
暗くいじけた三人を慌てて励ました、その時。
グラグラグラ……。
「…揺れてねぇか?」
