モンスターに会うこともなく、4人はほぼ予定通りサーナに着いた。

 魔物から守るために、ほとんどの町や村は、周囲をぐるっと石壁や煉瓦なんかで囲っている。

 サーナももちろんそうで、赤煉瓦できれいに町は囲まれていた。

 町の出入口には、頑丈そうな大きな扉があり、そのそばにはこれまた頑丈そうな門番が一人立っていた。

 こういう門番をやっている人は、みんなアミュレット出身だ(この大陸だとだいたいオレンジスター校出身になる)。
 
「オレンジスター校か!」

 30代はじめぐらいの門番が、リアたちの姿を見つけると片手を上げて挨拶してきた。

「町長から聞いてるよ」
「じゃぁ話は早ぇな!入らせてもらうぜ」
「腹減った腹減った〜!」

 どやどやと町の中に入ろうとする4人を、門番は慌て止めた。

「おいこら待て!一応決まりだからな。スクールリング見せてくれ」
「何よもう!めんどくさいわねぇ!」

 イラッとして振り向いたリアを見て、門番は一瞬目を見開いた。

「!!」


 …何てかわいい!


「…も、もしかして、あなたが噂の……!?」 

 門番は、ひったくるようにセントマリナのタウン誌を掴むと、表紙のモデルとリアを交互に見た。

「あ、それ買ってくれたんだ!ありがとねっ」

 笑ってパチッとウィンクする。