にこにこ笑うロミオ。

「ガツンとさ、やりてぇなぁって思ってたんすよ。ま、でも仕事入ったなら仕方ねぇな」
「だね。仕方な〜い」
「よし、じゃぁ行ってこい!」

 文句を言うリアをヴァレリーが引っ張り、4人はちんたら部屋を出ていった。


「ふぅ」

 ため息をついたルーンは、ささっと紙にペンを走らせ、それを封筒に入れた。

 行き先は、サーナの町長ワッツ宛。


 窓の外に向うと、ルーンは指笛を吹いた。

 バサッと大きな羽音と共に、窓の外にそれは大きな生き物が降りてくる。


 深い緑色をした、堅そうな皮膚、猫のような耳のそばには、太く鋭い角が生えていた。

 フサフサとした毛の生えた大きな翼に、くりっとしたまん丸い愛嬌のある目。
 
 ドラゴンに属する、ウィングザウルスというモンスターだ。

「郵便頼むよ!サーナまでだ!」 
「あいよ!」
 
 ウィングザウルスの背に乗ってた男が、手紙を受け取る。

「速達でね」 
「はいはい。わかってるよ。この学校の奴らが頼むのは速達ばっかりだからな。たまにはのんびり届けたいもんだよ」 
「はっはっは。悪いね!」
「いや、いいさ」


 ウィングザウルスは大きく旋回すると、鋭い咆哮を上げながら青空の中へ消えていった。