青い星の騎士たち


「ガルルルゥ〜……!」
「ガウガウ!!」
「グルルルゥ〜……!!」

 ホワイトウルフ。体長2メートル弱、フサフサとした長く白い毛に、異様なほど赤い目が特徴だ。
 まんまな名前だからといってバカにしてはいけない。野性に生きる狼たちとは違い、格段に筋肉のつきがよく、その跳躍力はネコ科に匹敵するほどだ。 
 鋭い歯と爪による攻撃が主で、噛み付かれるとそうそう簡単には離してくれない。離してくれたと思ったら、自分の肉まで引き裂かれていた、という結果になるだろう。
 わりと慎重派なモンスターなので、こちらからどんどん攻撃していくのがいい。喉元が弱いので、そこを中心に攻撃すれば、ホワイトウルフの場合すぐにのびる。 
 これがレッドウルフ、ブルーウルフ、ブラックウルフになると火や冷気を吐いたり毒攻撃をしてきたりと厄介なのだが、それはそれぞれのページを参照すること。 
 ホワイトウルフはそう強いモンスターではない。彼らの動きに目を配り、背後から攻撃されないよう十分気をつけよう。

「…だって」 
「つーか長ぇし!おめぇ要点だけ言えよ!」
「だって要点だけまとめられなかったんだもん!」

 しかし、確かに書いてある通り、ホワイトウルフたちはこちらを威嚇してくるだけで、動こうとしない。

「控えめなモンスターなのね」
「…控えめっつうか何つうか……」

 いやぁ〜、こっちから最初に攻撃仕掛けるっつうの、俺得意じゃねんだよなぁ……。

「ヴァレリー、おめぇさ、まず魔法ぶっ放せよ」
「えっ。わたしが先!?」
「おう。ひるんだとこを、俺がズバッと切る!何て完璧な作戦!」
「何よ、単に先制攻撃が苦手なだけじゃない」
「…………」

 図星で何も言えなくなったジャスティンを尻目に、ヴァレリーは構えたロッドで地面に魔法の紋章を書き出した。

 すると、こちらが何かやりだしたと察したホワイトウルフたちが、
「ガルルルルル〜!!」
と唸りながら一斉に襲いかかってきた!