しかし、後少しという所で届かない。
「もっと手延ばしてよ〜!」
「え〜。お前手短いんじゃないの?」
「あんたが短いのよ!」
手を延ばすロミオの腕を、ジャスティンがしっかりとつかむ。
上からパラパラと小石や土が落ちてくるが、揺れはまだおさまりそうもない。
ジャスティンの腕をつかもうかと思ったヴァレリーだったが、ふと嫌な予感がして振り返った。
「!?」
遠く暗闇から、赤く光る目がいくつか見えるじゃないか!
「大変!ジャスティン、魔物かも!」
「げっ、マジかよ!」
とその時、またズズン!と大きな縦揺れがきた。
ズズッ……ガラガラガラガラガラガラ………!
「!!?」
リアが座っていた岩が音をたてて落下した!
「きゃぁぁぁ!」
ロミオの手が一瞬にして目の前から消えた。
神様……
闇の中に体が吸い込まれる。
神様……!
……呪ってやる!
意識が一瞬、遠退く。
「リアーー!目ぇ開けろ〜!」
いきなり聞こえてきた大きな声で、リアははっとしてその言葉通り目を開けた。
「?」
落ちてない?
「いやぁ、危機一髪!」
顔をひきつらせながら見上げた。
そこにはロミオの顔が。
ロミオの右腕とあたしの右腕がつながって…。
ん?足がブラブラ…。
見下ろすと、闇がぽっかり口を開けていた。
…あたし…宙ぶらりん?
再びロミオを見上げる。
そして、若干遅かったが、思い切り「きゃぁぁぁぁ〜っっ!」と叫んだ。
「うっぎゃぁぁぁ!!」
とロミオも叫び返す。
