ノロノロと歩くリアが、あとちょっとで向こう岸、という時だ。
「リア!頑張って!」
「へっぴり腰〜!後少しだぞ〜」
「うっさい!そこの帽子男!」
ジャスティンが、ヴァレリーとロミオの二人を「おい…」と制止た。
「揺れてねぇ?」
何度繰り返されたか分からないセリフだ。
「そうか?」
「何か常に揺れてる感じがするからね…」
と、その時、ズズン!と大きな縦揺れがいきなりきた!
「きゃぁぁぁ!」
「うぎゃぁぁ!」
全員しりもちをつく。
そして、どこからともなく低い唸り声が聞こえてきた。
「お化け!?」
ロミオが顔面蒼白になる。
「んなバカな!」
唸り声や、ドーンドーンという何かを叩くような音と共に、縦揺れだか横揺れだか分からない揺れが4人を襲う。
立つこともままならない。
「リ、リア!早く!」
「そうだぜ!おめぇしゃがんでる場合じゃねぇぞ!」
「んなこと言われたって歩けないんだもん!」
「ほれほれ」
ロミオがにゅっと手を延ばす。
