胸がきゅっとせつなくなる。
あ〜…
クソ〜……
ガラでもねぇが、何てセンチメンタルなんだ俺!!
「ジャスティン、心配するなっ。お前にはオレというピヨがいる!」
「たわけ!」
バッとロミオから離れ、ジャスティンは三度土壁を掘り始めた。
「そういやロミオはそういうのいねぇのか?」
「そういうの?」
「ピヨだよ」
「オレのピヨか!いるぞ!」
「はぁぁ!?マジで!?」
ロミオは「フッ」と髪を払いのける真似をすると、
「この世のガールズみんながおれのピヨさぁ〜!」
と、変な声音でそんなことを言った。
「……ハリソンかよ!」
「えへへ〜。わかる?」
「そんなセリフ吐くのあいつしかいねぇよ…」
女好きハリソン。
ジャスティンやロミオとよくつるんでる仲間のうちの一人だ。
かっこよくてファンクラブもある辺りリアの男バージョンな感じもするが、同性に大して露骨に性格が悪いわけではない。
どの女子、というわけじゃなく、女子全体の尻を追い掛け回っているような奴だ。
「ジャスティン、女は星の数ほどいる!お前のような眉毛の薄い恐い顔をした奴を好きになる女は、ごく僅かだがいるから落ち込むなっ!」
「おっめぇ慰めてんのかけなしてんのかはっきりしろよ!」
ジャスティンはロミオの尻におもいっきり蹴りを入れた。
