「あとは〜、あたしが超モテモテでひがんじゃって悪口言ってる奴らとか〜」
「………」
…いや〜、超モテモテだけの理由で悪口言われてるわけじゃないんだけど〜……。
と言いたかったが、それも引っ込めた。
言ったところでムダである。
「かわいいのはあたしのせいじゃないのにね!罪作りだわ〜」
「…ハハハ…そう…」
よくもまぁ自分でそんなこと言うわよね!
リアの顔を見る限り、本人いたってまじめにそう思っているらしいし。
そして、実際の性悪な性格のリアを、知ってか知らずかのこのモテっぷり。
体から、何かそういうフェロモンが出てるのかも。
ヴァレリーも石で掘り続けながら聞いた。
「リアって小さい頃もモテたの?」
「小さい頃?」
掘る手を止めて、ちらっとリアがこちらを見る。
「そう。幼稚園とか、それぐらいの頃から」
「…そうね。てゆうか当たり前〜」
ガツガツと再び掘り始める。
「だよね〜。今と同じぐらいモテてたの?カバンとか持ってくれたりして」
しかしリアは無表情のままそっけなく言った。
「……知らない。小さい頃のことは覚えてないから」
「……そ、そう……」
それ以上聞けない雰囲気だった。
もしかして、気分悪くさせたかしら…?
リアの表情から読み取ろうとしたが、よくわからない。
「…リア、ごめんね?何か、悪いこと聞いちゃったみたい……」
恐る恐るそう言うと、リアは驚いた顔でヴァレリーの方を見た。
「え?やぁだ〜!ヴァレリー何言っちゃってんの〜!別に悪いこととかじゃないし〜!」
笑いながらバシバシ叩いてくる。
「い、いたっ!…そ、それならいいんだけど…」
「あんたほんと心配性よね〜。マジ白髪増えるわよ?キャハハ!」
「…も〜…!」
「そんなことより、再来週にあるバスタード高とのバスケの試合に先輩出るのよ〜!チアの練習がんばんなきゃ!」
笑みを浮かべながら、ガツガツと掘る。
バスケだけに限らず、スポーツの試合には、華であるチアリーダーたちも大活躍していた。
仕事で全員一緒に練習できる機会はほとんどないが、なかなか見ごたえはあるらしい。
