ジャスティンがキッとなって否定しようとしたら、ロミオが一歩早く言った。
「ふざけるな!オレがこんな眉毛の薄い恐面の奴を好きになるわけないだろう!!」
「つーかおめぇに言われたくねぇし!だったらやめろよ抱きつくの…」
「だってさぁ〜!お化けっぽいのがいたからつい」
ジャスティンはおもいっきり顔をしかめた。
「はぁ?ぽいって何だよ!」
「ぽいはぽいだ!白くてもやっとしてもさっとしたのが遠くに見えたんだよ〜」
「白くてもやっとしてもさっとした…さっぱりわからんな」
「てゆうかさ〜」
向こう側から、相変わらずかったるそうにリアが言ってきた。
「どうすんのよ?」
「あ!じゃぁさ」
ヴァレリーがポンと手を打つ。
「岩が転がってきた場合の避難用に、壁をちょっと掘ったらいいんじゃない?」
そう言って、すぐそばの土壁をすりすりと触った。
柔らかいから、少し頑張れば人二人入れるぐらいの穴、できそうじゃないかしら?
「あ〜、それいいかもな!避難する場所がありゃぁ岩転がってきたら隠れられるし」
「穴掘りか!穴掘り!」
「いやそんなはりきらなくてもいいぜ、ロミオ」
もちろんリアが素直に賛成するはずはないが、つべこべ言っても始まらない。
その辺にある石で、4人は、えいさえいさと掘り始めた。
「んも〜!なぁんであたしがこんなことやんなきゃなんないのよ〜!」
とか言いつつも、ガツガツと日頃のうっぷんを晴らすかのように乱暴に土壁を掘っている。
「あら、でもわりと頑張ってるじゃない?」
「こう、腹立つ奴らを思い浮かべながら掘ってんのよ」
「………」
リアは、思い浮かべられる側だと思うんだけど。
と言いたかったがそれは引っ込めた。
「へ〜。リアが腹立つ奴らって誰なの?」
「例えば〜、風紀委員の奴らとか〜」
「あぁ、メガネズね」
「そう。あいつら、あたしがかわいくてナイスバディだからねたんでんのよ」
「アハハ……そ、そう…」
