「!!?」

 見ていた三人の背筋が凍る。

 頭の中に、リアルに花を供える自分たちの姿が映った。

「っとっと……」 

 しかし何とか踏みとどまったロミオは、体操選手のように、フィニッシュを決めた。

 三人、ほーっと安堵のため息をつく。

 向こう側から、

「拍手!」

という、のんきなロミオの台詞が聞こえた。

「何言ってんのよも〜!落ちるかと思ったじゃない!あ〜ヒヤヒヤした!!」

 ヴァレリーが心臓の辺りをおさえながらぶぅぶぅ言ってる横で、ジャスティンが、

「ロミオ!それは着地失敗だからマイナスだ!」

と、ダメ出しした。

「え〜!!つれないなぁジャスちゃん」
「おめぇそこよけろよ!体操選手も真っ青な華麗なジャンプ見せてやるぜ!」
 
 軽く屈伸運動をしたジャスティンも、ロミオと同じぐらい後ろへ下がった。

「ジャスティン、言う間でもないけど気をつけてね!」
「おうよ!」

 リアがあきれてヴァレリーを見上げる(疲れたのでしゃがんでいたのだ)。

「あんたね〜、心配しすぎなのよ〜」
「だ、だって心配になるじゃない!」
「あんまりね、心配すると白髪また増えるわよ」
「…うるさい!」

 この間、一本だけあった白髪をリアに見つけられてしまったのだ。

 何よ!

 たった一本じゃない!


「よっし!じゃぁ行くぜ〜!!」

 助走をつけたジャスティンは、勢いよく落とし穴の上を華麗に(?)飛んだ。

 きれいな弧を描き、さぁ向こう岸に…という瞬間、ロミオが両腕を開いて飛び出してきた。

 げっ!!

「ジャスティ〜ン!さぁこ〜い!!」
「ばっ…!おめぇよけ……!」

 しかし遅かった!

 ドタドタドタッ…!!

 男二人、無様に地面の上を転がる。