彼と好きな
インディーズバンドの話で
盛り上がってると
寒さも忘れてしまう

でも息は白練(しろねり)色で
冬の寒さが伝わってくる

彼は急に私の手を握って
「あったかいな」と言い
自分のポケットに
私の手ごと突っ込んだ

何があったのか一瞬わからなかった

彼の温かさが伝わってきて
少しだけ独占したくなる

でも、付き合ってはいない

これは渡の片想いだから

この気持ちが伝わればいいのにと
ため息がでてしまった

その息も白練色で
真冬がどんどん近づいている