てっちゃんはわたしに一瞬の笑みを見せると 席をゆっくりと立って、去っていった。 テーブルの伝票入れが空になっていることに気づいたのは、 彼女の後ろ姿を窓ごしから見送ったあとだった。 わたしは二度と焦げたオムレツを食べることはなかった。 おわり