好きって言っちゃえ


「チーフっ!涙もろすぎ」

「え?何タイミングで?」

航と光俊にからかわれつつも、

「だってさぁ。この体育館で先生に会ったらあの頃が走馬灯のように…」

と、持って来てタオルで顔尾を覆う悠一。

「そんな辛い中学時代だったんですか?」

「違うだろっ」

真顔で尋ねる秀人に光俊が突っ込んだところで、哲平がボールを持って寄って来た。

「早くウォーミングアップしようよ。皆待ってんだから」

「ごめん、ごめん」

タオルで顔をグッと拭うと悠一はタオルをコートの脇に置いてから、中学生たちが空けてくれた側のコートに入った。剣二を残して舞たちも続いてコートに入り、全員が円形になると、

「行くよっ」

と、哲平がオーバーハンドで対面にいる悠一にボールを出した。

「はいっ」

悠一はアンダーハンドで哲平の横にいる秀人に返す。

「はいっ」

秀人はオーバーハンドで哲平と反対側の隣にいる舞に軽くボールを渡した。

「あ〜、はいっ!」

舞は慌ててレシーブするが、ボールは対面の光俊の頭の上を超えてコートの端に転がって行った。

「あ〜…」

フットワーク良くボールを追いかけて行ったのは航。

「アウトっすよ、アウト」

しかめっ面になった舞を光俊が茶化す。

「しょうがないじゃない。私、テニス部だもんっ」

開き直る舞。

「行きますよっ」

ボールを取って来た航が仕切り直してボールを打つ。