好きって言っちゃえ


「え?僕の嫁にですか?」

「そうよ。好かれちゃってるんだから。嫁にもらって、ここで結婚式挙げてよ」

「いやいやいや。そんな強引な」

「それとも他にあてがある?」

「いや、ないっすけど」

「まさか、舞みたいに『結婚しない主義』なんじゃないでしょ?」

「え?舞さん『結婚しない主義』なんっすか?」

「あ、聞いたことない?」

「初耳っすね〜」

と、そこに美咲がトレーに今度はコーヒーカップを2つ乗せて現れた。美咲は1つは光俊の前に置いたがもう一つをどこに置こうか迷っている。

「もう、どこでもいいから。じゃ、折角なんで、平野くんの横に座らせてもらいなさい」

「えっっ!」

「どうぞ、どうぞ」

光俊が隣の椅子を引いてやった。

「あ、すみませんっ!」

「いえいえ、どういたしまして」

光俊の横の椅子のチョコンと座る美咲。

「なんかいいっすね〜。職場に若くてかわいい女の子がいるって」

美咲の遠慮がちな初々しい姿を見て思わず頬が緩みニタニタする光俊。

「あ、舞に言いつけてやろ。平野くんが『京極写真館』には不細工なババァしかいないって言ってたって」

「ちょっと、やめてくださいよ〜っ。それじゃなくても、なんだか舞さん僕に当たりがキツイんっすから」

「はははっ。なんだかわかる気がする」

「何がっスか?」

「当たりがキツイの。平野くんと話してると社交辞令とかオブラートに包むとかなんか面倒くさく感じるのよね」

「え?それってどういう?」

「チャラいからかな」

「…」

「さぁさぁ、アルバム、アルバム」

光俊のテンションが下がったところで美雪が明るく促した。