好きって言っちゃえ


「母さ…じゃなくて、会長っ。これって、仕事じゃないですよね?」

と、舞。

「そりゃ仕事じゃないけど」

「じゃ、業務じゃないから、断ってもいいですよね?」

「おお〜、たまにはいいこと言いますね」

光俊の言葉にギッと光俊をひと睨みした舞だったが、そのまま悦子に詰め寄った。

「私、バレーなんてやりたくない」

「ちょっと、舞〜。バレーなんてってなんだよっ。面白いんだよ、バレーは」

舞の言葉にムッとしたのは、バレー部で頑張っている哲平だった。

「そうですよ、やれば楽しいですよ。バレー」

と、飄々とした表情で舞を見たのは秀人。そんな秀人に光俊がボソッと呟いた。

「だから175もあれば、楽しいだろうよって」

「断れるんですか?」

悠一が悦子を見る。

「…断れない」

悦子は顔を小刻みに左右に振った。

「なんでっ」

舞の声が大きくなる。

「だって、考えてみなさいよ。私たち皆ここに住んでるのよ。全員この町内会にお世話になってるんだから、頼まれたら断れないでしょ」

「そりゃそうだけど…」

あからさまに声が小さくなる舞。

「それに、町内会の人に応援してもらって『京極写真館』は今日までやってこれてるんだから」

「…」

そんなことを言われたら最早ぐうの音もでない。