直ぐにミニバンが走り出し、長岡は窓を開けて身を乗り出し、後ろを振り返るように、京極に向かって元気よく、 「行ってきますっ!」 と手を振ると、ゆっくりと車の中に身を引っ込めた。 「大丈夫か、あいつは」 苦笑いをしながら京極は、すぐ後ろのやや古いびた2階建て建物の自動ドアを開けて入って行く。自動ドアには白い文字で『京極写真館』と書かれている。