「ああそうか」
神妙な顔をしたまま椅子に座ってパソコンに向き合う光俊を見て、剣二がふと呟いた。
「ん?どうかしましたか?」
光俊は、手を止めて剣二の方を見る。
「そんなに節約したいんだったら、今までみたいにたまにはうちに食べに来ればいいよ」
剣二は名案と言わんばかりにニコニコと光俊を見つめた。
「え?いやいやいや、それは、いくらずーずーしい俺でも無理っすよ」
「なんで?」
「なんでって…。ご家族の団らんの場に食費ケチるために、飯食いに行くだけってのは流石に…」
「ああ、なるほどね。じゃ、家族になればいいじゃん」
「は?」
剣二の突拍子もない申し出に思考が一瞬停止してしまう光俊。気を取り直して、
「…それはどういう…」
意味かと聞こうとしたとき、
「おはようございますっ!」
と、元気のいい声で入って来た秀人を先頭に、悠一、航、舞も入って来て、
「おお、おはよう」
剣二がそっちに視線を移したので、光俊は答えを聞けずにそのままその会話は終わってしまった。
「あれ?早いな平野。もう体調は大丈夫なのか?」
悠一が座りながら光俊に声を掛けた。
「はい、お陰様で。昨日は皆さんご心配と迷惑をおかけしました」
光俊は椅子をぐるっと反対に回して、一同を見渡しながら、座ったまま頭を下げた。
「で、病院には行ったんですか?」
と、航。
「いや、どうやら、病気じゃなかったみたいで、飯食ったら元気になった」
チラッと、目が合う光俊と舞。
「は?なんですかそれ」
「ま、とにかく元気になって良かった。じゃ、今日の撮影も大丈夫だよな?」
と、悠一。
「はい、もちろんっす」
「じゃ、宜しく頼むな」
「うぃっす」



