好きって言っちゃえ


「…」

やはり低血糖だったのか、飴玉で少し楽になった光俊は、匂いにつられて目を開け、むっくりと布団から起き上がり、台所に立っている舞の所に歩み寄った。

「あ〜、今起こそうかと思ってたから、丁度良かった。ま、座って」

自分の家なのに、舞に指示されるまま台所のテーブルに着く光俊。

「はい、どうぞ。ろくなもん食べてないんでしょ」

そう言って、光俊の前に出されたのは、皿に大盛のキノコパスタだった。

「うわっ、うまそ。頂きます」

目の前に出て来た好物に、パッチリ目を覚ました光俊は、目の前に立っている舞を見上げることも無く、キノコパスタだけを見つめ、手を合わせてから、置かれていたフォークを手にガッツリ食べ始めた。夢中で食べる光俊を見て、安心した舞は、ふと、台所の壁に目をやり、何気に耳を近づけた。

「…何やってるんすか?」

パスタを頬張りながら上目遣いに舞を見る光俊。

「あ、いや、さっき、悠ちゃんち誰か来たみたいだったから…」

悠一の部屋を気にしたことを光俊に指摘され、つい言わなくても言いことを口にしてしまう舞。

「ああ〜、桃子さんですか?」

光俊は、別に驚く様子ものなく、パスタを食べ続ける。

「え?」

一瞬固まった舞だったが、バッと椅子を引いて、光俊の前に座って、光俊に顔を近づけた。

「あの二人、付き合ってんのっ?」

「…んぐ」

光俊は頬張ったパスタを飲み込むと、

「知らなかったんすか?」

と、舞に聞き返してきた。

「…知らなかった」

舞は、ゆっくり背もたれに体重を移した。

「ごちそうさまでした」

パスタを一気に食べ終えた光俊は目を閉じて手を合わせた。