好きって言っちゃえ


「いただきます」

その日の夜、京極家では部活から帰って来た哲平を含めて4人でいつものように悦子の作った夕食を囲んでいた。

「そう言えば、平野くん、具合どうかしらね」

不意に食べる手を止めて悦子が呟いた。

「平野さん、どうかしたの?」

ご飯をかき込みながら、哲平は悦子を見る。

「今日、具合悪そうだったから、早めに帰らしたのよ。今日は、炎天下での撮影だったんでしょ?剣二さん」

「ええ。ガーデンウェディングでしたから」

「最初っから、炎天下のガーデンウェディングだってわかってるんだから、帽子被って行けば良かったのよ。自己管理が出来てないのよね」

哲平と張り合うようにご飯をがっつきながら舞がそう言い放った。

「あんたね…」

その様子を見て悦子が肩を落とす。

「何?」

「心配じゃないの?」

「は?心配?」

悦子の言葉に、舞は思わず手を止めて悦子をキョトンと見た。

「あんたは平野くんのぐったりした様子見てないからそんな薄情な事言ってられるのよ」

「は、薄情なって、人聞き悪いなぁ。社会人として当然のことを言ったまでです」

舞は、そう言うと再び箸を動かし始めた。

「じゃあ、平野さん、ご飯食べてないかもね」

と、哲平。

「そうよねぇ。あ、舞、あんた、その勢いだとご飯さっさと食べ終えるでしょ」

「ん?」