ワイワイと会場を出て行く招待客の邪魔にならないように光俊は出入り口から少し離れ、それでも壁を背にしてぼんやり立っていた。
「大丈夫ですか?平野さん」
カメラボックスを肩に掛け、帰り支度の出来た航が光俊に歩み寄った。
「…ああ。悪いな、戦力にならなくて」
「いや、それより、医者に寄って帰りましょうか?」
「ありがと。だけど、ホント大丈夫だから」
そう言うと、光俊は壁から背中を離したかと思うと、フラッとよろめいて思わず航の肩を掴んだ。
「悪ぃ」
「ほんとに大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫」
光俊は肩から手を離すとゆっくり歩いて出入り口から中に入って行った。
「あれ?平野さん、もう行っちゃたんですか?」
光俊の背中を見ながら秀人が航の所に寄って来た。
「ああ。医者には行く気ないみたいだけど、相当具合悪そうだから、急いで帰るぞ」
「あ、はいっ」
帰りの車では、いつものように運転席には航が座ったが助手席には秀人が座り、光俊は後ろの席で靴を脱ぎ、真横を向いて膝を抱えてグッタリしていた。



