「はいはい。わかってますよ」
「そうねぇ〜。若い皆が来るときには油っぽいもの作るようにしてたからね〜。そりゃ、哲平だって、食べ盛りなんだもの。唐揚げが食べたいわよね〜」
と、悦子。
「そうだよ、そうだよ」
「でも、おばあちゃん、もう疲れちゃったから、舞に作ってもらいなさい」
「はぁ?なんで私〜?」
「スパゲッティ以外でも、若者が好む料理も出来るんでしょ?」
と、悦子はニヤニヤしながら舞を見た。
「何、その顔?」
「大体ね、私がご飯作らなきゃいけないってことないのよ。今日を境に舞が作ったらいいじゃないの?」
「賛成っ!」
哲平が右手を大きく上げる。
「冗談でしょ?母さんより、私の方が抱えてる仕事が多いんだから、母さんがやってよ」
「じゃ、こうしましょ。水曜日はお休みだから、舞がする」
「え〜っ!」
派手に声を出して正に苦虫を噛み潰したような顔をして見せる舞。
「あんたね。普通あんたぐらいの年の女性は、今頃、仕事しながら家事と育児に追われながら頑張ってるのよ。週に1回ぐらい晩御飯の用意したって、罰当たらないわよ」
「…」
そこを言われてしまったら、言い返す言葉はこれと言って見当たらない。が、ここで言い返さねば、週一の食事係が決定してしまう舞としては、何か言い返さねばならない。



