「うわーっ!!ゼロが多いっ!いち、じゅう、ひゃく…」 思わず声を上げた哲平はゼロの数を数え始める。 「まさか、万が一のことが起こるなんて、思ってもみなかったけど、剣二さんが哲平を育てるうえで必要になる時があれば使ってもらおうと思ってたの」 剣二は通帳から目を離し、悦子を見た。 「…」 「だけど、考えが変わったの」 「え?え?え?どういうこと?どういうこと?」 身を乗り出して、悦子に迫る哲平に、 「うるさい」 と、再び蹴りを入れる舞。 「イテっ」