*星屑にのせて.+*:゚+。.☆



ーーバサッ


山本くんは急に呼ばれたのにビックリしたのか、手から本が落ちた。




声の方向を見る。



「……波瀬さん。」



「お、おはよう!山本くん。」



汗だくだけど、

息切れかかってるけど、


笑顔を見せた。





まぁ、私の声に驚いた彼が意外と可愛くて笑ってしまったのもあるけど。



状況を把握した彼は床に落ちた本を拾うと、読みかけのページを探す。




「ーーで、何のよう?」



「……えっ?」



「わざわざ俺の居場所を探してそれだけのことを言うために来たんじゃないだろう?」



「……うん、そうだよ。」





鋭いな、山本くんは。


見た目からそんな感じのオーラはするけど。





息を吸い込む。


溜め込む。



そして、発する。




「山本くんに、謝りたくて‼︎」



「俺に?」



「山本くん、体育の授業の時私を抱えて保健室に運んでくれたのに、私酷い事言った。」



「別に気にしてない。」



「それでも!……謝りたかったの。」



「……。」



「本当に、ごめんなさい……。」


「……で?」



「……えっ?」



「それで、俺になんていって欲しいの?『君が無事でよかったよ』とでも言えば満足?」





ーーな、なんなのこいつ。



「善人ぶるなよ。」


「ぶってないわよ‼︎」




そのまま走って図書館から出る。






ーー何よ。


何よ何よ何よ‼︎



全然話した事のない山本くん。



そんな彼とまともに話したのは私だけじゃないだろうか。



ーー少なくとも学校では。





山本くんは外見の華やかさとは裏腹に、

中身は棘のあるサボテンと同じ。

いや、むしろ毒針。
毒蜘蛛。





あんなやつの為に数日頭を悩ませていたなんて、バカみたい!




今日もそらさんはあの川沿いにいるだろうか。

ちゃんと、誤ったこと。
けど、誤った彼は結構いい性格していた事。




話を聞いてもらおう。