「あら、波瀬さん、起きた?」
「……あ、はい。」
起きると、私は保健室のベットの上にいた。
何があったのか思い出せない。
「先生、ビックリしたんだからね?波瀬さん体育でバスケしてて、顔面キャッチしたって聞いて!」
「せんせーー!したくてしたんじゃありません‼︎」
そうだ、私、倒れたんだ。
急に意識が遠のいて…。
「せんせ、今何時?」
「4時よ。授業はまだしてるけど、頭が心配だから取り敢えず今日は病院行きなさい。」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫でも、いいから見てもらいなさい。」
大丈夫なのに…。
私は渋々、ベットの横にあるバックを取って家へ帰ることにした。
頭は、痛くなかった。
鼻の先が少しヒリヒリするくらい。
足もひねってないし、血が出ているわけでもない。
病院には行かず、私はコンビニに寄った。
冷たいいちごのアイスを一つ買った。
それを鼻の先に当てて、応急処置。
我ながらいいアイディアだ。
少し歩いたら、私はアイスを袋から出し食べた。
少し溶けてたけど、味は変わらず美味しかった。
この甘酸っぱさが、忘れられない。