キミをずっと。

「もー・・・。」
肩をすくめる私。
すると、『あいつ』が振り返った。
「おーおー。お前ら仲良いなー!」
どきっ。
いつもは跳ねることのない心臓が、突然動き出す。
「まーね。」
そういう声が震えてしまって、私はふいっと顔をそむけた。
ヤバい、なんかドキドキする。
最近あまりなかったせいかはわからないけど、私はパニックじょーたい。
顔が赤くなってきて、どーしよーもなくなってくる。
「いやー、ソラとコカゲほどではないですよー!!」
「ちょっと、ヒヨリまじでだまって。」
もーヒヨリってばー!!!
さりげなく殴りながら、コカゲの顔を見る。
やっぱり、いつもどーり・・・
じゃ、なかった。
顔、真っ赤だった。
ほんとに、リンゴみたいになってて。
私、ぽかーんとしちゃった。
「ちょっと俺、トイレ行ってくる。」
「え、あ、うん。」
あっけにとられてて、そんな返事しか出来なかった。
コカゲがいなくなっちゃた後、ヒヨリがつぶやく。
「あっれー、コカゲ真っ赤だったよねー?」
・・・びっくりした。
あんな顔、マコトの話以外で見たこと無かったから。
私もなんだか恥ずかしくなってきて、顔をおさえた。
やばい、めっちゃほっぺ熱い。
「って、ソラも顔赤ーい!」
「な、なってないから!!」
「強がんなってー!」
私たちは、友達で。
ずっとずっと、友達で。
その関係性は、変わんないまんまだって思ってた。
だけど。
もしかしたら。
何かが、変わってきたのかもしれない。
私はドキドキしている心臓をおさえながら、うつむいていたのだった。