キミをずっと。

コカゲが指差した先には、私のお気に入りのファイル!
大好きな歌手のCDを買った時についてきたやつで、ロゴのデザインがかわいいから愛用してる。
サクラがあしらわれた感じが、たまらん!
「よく気付いたねー。」
「あったりまえじゃん、おれも超好きだし!」
そう、実はコカゲも大ファン。
思えば、CDの貸し借りから始まったんだよね、私たちの仲は。
今みたいに、コカゲから話しかけてくれて。
あのとき、楽しかったなあ。
「いいでしょー?」
「おー、死ぬほどうらやましいー!」
くすくす笑う私に、コカゲがだだをこねる。
「えー、俺もほしいー!」
「じゃあ買え。」
「ソラさーん、相変わらず厳しいですねえ~。」
その時、ふと上から笑い声がふってきた。
え、誰?
顔を上げると、そこにはヒヨリが!
「おー、ヒヨリ!おはよ!」
「おはよーん。」
軽く手をあげてあいさつすると、ヒヨリがにたにた笑いながら私たちを見比べてきた。
「おおっと、お邪魔でしたか~。」
もおおおおおおお!!
こいつ、あとでしめる!!
じろっとにらみつける私に、コカゲも参戦。
「もーお前、きのーからうるさい!」
「そーだよ、私たちなんもないんだから!」
私たちの剣幕に、おびえるヒヨリ。
「そんなにおこんないでよ~!ただ、お似合いだなって思ってるだけだから!」
んもー!
ぶすっとふくれる私のほっぺを、ヒヨリがむにっとつかむ。
「ごーめーんってば~!」
「・・・うー。」
「あーもーどーすればいいのかなー!?」
いつまでたっても無愛想な私に、しびれを切らしたみたい。
横にいるコカゲを、ヒヨリは不安げに見つめる。