「ソラ、どったの。」
そう、お姉ちゃんの部屋。
私の姉「七瀬 晴」(ナナセ ハル)は、高校三年生のちょっと頭のいい人。
でもめちゃくちゃおしゃれで、私はよく服を借りてる。
基本的には
『友達と遊びに行くのー?それ貸してあげるけど、汚したら殺すー。」
とかいいながら、貸してくれるんだけど。
今日は機嫌悪そーだし、どーかなー・・・。
「えーっと。よ、洋服貸してくださいっ!」
「えー。最近貸したばっかじゃん。」
「そこをなんとか・・・!」
可愛い服で、行きたいんだもん。
いつも着てるみたいな、派手な服じゃダメ。
甘すぎず、大人っぽすぎずな服じゃないといや!
「おねーちゃーん・・・。」
「べたべたすんな、うざいから。」
「おーねーえーちゃーんーー!!」
「あーもーうるさい!貸せばいいんでしょ、ほら、とってけ!!」
私の頭をはたきながらも、結局貸してくれるお姉ちゃん。
「ありがとーー!!」
「抱きついてくんな、きもい!」
私はお姉ちゃんを抱きしめてから、クローゼットを開ける。
そこには、ところせましに服、服、服!
「また増えたぁー?」
「ん、まーね。友達とおそろで買ったりとかしてるし。」
「へぇ~。」
それにしてもすごいな。
私、この半分も持ってないや。
今度買おーっと。
そんなことを思いながら、物色し始めた。
最初に目にとまったのは、小花柄のワンピース。
白地に寒色系のお花がちりばめられてて、すっごいかわいい。
余計なフリルとかもついてないし、このすとんっとしたフォルムもいいなぁー・・・。
でも、
「ねー、これ借りていい?」
そう聞くと、あっさり断られちゃった。
「え、やだ。それ最近買ったばっかだから。」
「ちぇー・・・。」