「ただいま~。」
「おかえり~!」
お母さんが台所からひょっこり顔を出す。
私はそれを軽く流しながら、階段をかけのぼった。
やった。
やった!
やったーーーーー!!
「ソラうっさーい。」
不機嫌なお姉ちゃんなんか気にもせずに、自分の部屋に飛び込む。
小っちゃいクッションをつかんで、ぶんぶん振り回す。
「やば、どうしよ、うれしいよ~!!」
とか言いながら、キャーキャーさけぶ。
だって、コカゲに誘われたんだもん!
あん時、ほんとラムネ持ってて良かった!
まだ笑いが止まらない中、私はスマホを開いた。
すると。
『日曜日な!』
コカゲから、メッセージが届いていた。
かわいいスタンプに笑顔を浮かべながら、返信する。
『楽しみ。』
私らしい、不器用な言葉。
だけど、コカゲには伝わってるんだ。
『俺も。』
ほら、ね。
私はスマホを抱きしめてから、ごろんとベットに転がった。
「楽しみだなぁー・・・。」
どんなかっこで行こうかな。
髪型はどうしよう。
メイクもどんな感じで?
コーデのテーマは?
次から次へと浮かんでくる疑問。
やっぱりそれは、相手がコカゲだからなんだと思う。
コカゲの前では、私は女の子だ。
かわいいって、思ってもらいたい。
だから、服装とか頑張らなきゃ!!
「よっし!」
私は勢いよく起き上がって、ある場所へ向かった。
そこは・・・。

