キミをずっと。

~木陰SAID~

「ばいばーい!」
「おー。じゃーな!」
駅のホームで、手をふり返す。
ぱたぱたとかけていく背中を見送りながら、その手をそのままガッツポーズ!
やっべー、俺、デートさそえたっ!!
誘い方も超スムーズだったし、ソラも喜んでたし!
うわー、マジでうれしいー・・・!
さっきまで抑えてたニヤケが、じわじわと顔に広がる。
アイツ、何考えてるかわかんないから、誘うのにも一苦労だしな。
よくやった、俺!
自画自賛しまくりながら、電車に乗り込む。
そーいえば、俺らが初めて会ったのって、この駅じゃなかったけ。
その時のソラは、まだポニーテールだった気がする。
んで、確か、その髪につけてた星のヘアゴム?みたいなやつを、俺が拾ってあげたんだよな。
あの時のソラの笑顔、未だに忘れられない。
『ありがと。』
って、花みたいに笑って。
あ、この子、たぶん性格良いなって思った。
それから同じクラスだってことがわかって、なんやかんやで、一緒に帰るようになった。
でも俺、その時マコトが好きだったんだよな。
マコトはさばさばしてて、その割めちゃくちゃかわいかった。
今ではもう、いい友達だけど、フラれた直後は顔合わせられなかったなあ。
どんなに普通にしようと思っても、苦しくて。
そんな時、ソラが言ってくれたんだ。
『普通にしようとしなくて、良いと思うよ?気持ちの整理がついたら、ふつうに話せるようになるよ。マコトなら、それまで待ってくれるよ!』
って。
うれしかった。
そういう考え方があるんだって、そう考えていいんだって思えたんだ。
3、4か月後、俺がマコトと話せるようになった時、一番喜んでくれたのも、ソラ。
俺たちが話しているときも、さりげなく会話をアシストしてくれた。