双竜のお姫様










「二人とも外に行って。」






取り巻きの二人が女子トイレから出た。


二人が居なくなると、斉藤ゆきが話し出した。






「理央に話しかけるなって、言ったよね。」



「話してないって言ってるでしょ。」






話しちゃいけないのは誰よりも理解してる。


話しかけるわけがない。




聞こえるように、大きなため息をした。






「馬鹿にしないでっ!!」





私の髪の毛を掴んで、強引に引っ張る。


鬼のような形相で叫ぶ。




「あんたが居なかったら!!」この言葉を何度も何度も叫ぶ。